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ブライダル業界を考えるシンポジウム「顧客が理解できないルールを続ける業界は見放される」

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ブライダル業界を考える経済
シンポジウムに400人
掲載号:2014年8月21日号
他業界の経営者らが議論(中央が中村さん)
他業界の経営者らが議論(中央が中村さん)
 ホテルや結婚式場など、ブライダル業界の今後について考える「ウエディングシンポジウム」がこのほど、西区の新都市ホールで開かれ、全国から式場関係者ら約400人が集まった。

 少子化が進む中で業界が取り組むべき課題を浮き彫りにしようと、結婚式をプロデュースする「横浜ウエディングエージェンシー」を運営する中区元町の「タクティブレイン」(中村卓社長)などが企画した。

 学習院女子大教授で経営学者の江口泰広さんや弁護士の菅野朋子さんのほか、旅行、不動産業界の経営者が他業界から見たブライダル業界について議論。菅野さんは結婚式のキャンセル料など、契約に分かりづらい部分があると指摘。江口さんも「顧客が理解できないルールを続ける業界は見放される」と警鐘を鳴らした。進行役の中村さんは「指摘されたことを行動に移してほしい」と業界の意識改革が必要との認識を示した。
 
 
 
 

福岡で結婚式争奪戦 地域経済にもインパクト

2014.8.25 02:13
「ララシャンス博多の森」にある木造チャペルで行われた結婚式=24日午後、福岡市博多区(奥原慎平撮影)
「ララシャンス博多の森」にある木造チャペルで行われた結婚式=24日午後、福岡市博多区(奥原慎平撮影)
 福岡都市圏でブライダル業界の競争が熱を帯びている。九州各地から若者の流入が続くことに加え、九州特有の「ハデ婚」嗜好によって、業界の注目を集める。市中心部には挙式・披露宴施設が次々と建ち、全国有数のウエディング激戦区となった。大勢の人と多額の現金が動く結婚式は、地域経済に与える影響も大きい。(大森貴弘)
                  ◇
 「結婚おめでとう!」
 1万平方メートルの敷地に木造チャペルを備えた結婚式場「ララシャンス博多の森」(福岡市博多区)では24日、5組の挙式が行われ、新郎新婦を祝福する参列者の声が響き渡った。
 博多の森は、結婚式場を全国展開するアイ・ケイ・ケイ(佐賀県伊万里市)が平成14年10月に開業した。今年はオープン以来、最高の挙式数を予定しているという。
 同社経営企画課の武曽裕之氏は「若者が集まる福岡ならば、数十年単位で地域に根ざした結婚式を提供できると考え進出しました」と語った。
 リクルートグループが結婚情報サイト「ゼクシィ」に掲載している福岡県内の結婚式場は130軒。人口が1・8倍の神奈川県127軒、1・1倍の兵庫県123軒を上回る。
 福岡県内130軒のうち、天神や博多といった「福岡市周辺」が77軒と半分以上を占める。特に福岡・天神の渡辺通りと国体道路の交差点付近に集中しており「ウエディング激戦区」と呼ばれる。
 ウエディング施設が集積した最大の理由は、若者人口の増加だ。
 福岡市の人口増加率(平成22年~25年)は3・1%で、政令指定都市の中で最も高い。15~29歳の若者比率も政令市ナンバーワンの19・2%だ。福岡市は九州一円から若者が集まり、人口増加を続ける都市といえる。
 厚生労働省の人口動態調査によると、人口1千人当たりの婚姻率(平成24年)は、福岡県は5・5で東京都や沖縄県などに続き、全国5位に入った。
 国内の多くの地域で人口が減少する中、若年層が増える地域は、業界にとって魅力的に映る。
 東京の大手業者が数年前、相次いで福岡都心部に結婚式場を展開したことをきっかけに、九州内の企業進出やホテルのリニューアルで集積が加速した。
 人口増だけでなく、華やかな結婚式への需要も、ウエディング施設の集積を後押ししている。
 平成24年4月~25年3月に式を挙げた人や挙式予定者らにアンケートを実施した「ゼクシィ結婚トレンド調査2013」によると、挙式や披露宴などの総額は、全国平均340・4万円に対し、九州は364・3万円だった。招待客の人数も、全国平均73・1人に対し、九州は99・4人と、いずれも大きく上回った。
 近所や親戚付き合いが、比較的濃いことが、ハデ婚の要因と思われる。
 少子化が進めば、子供1人に親がかける金額も増すことから、ハデ婚の傾向は今後も続くとみられる。ブライダル業者にとって、福岡都市圏が「おいしい市場」に見えることは間違いない。
 ただ、競争激化により、淘汰はすでに進んでいる。
 今年8月7日。ホテルマリノアリゾート福岡(福岡市西区)として、結婚式場やホテルを手がけていた運営会社が、福岡地裁から破産手続き開始決定を受けた。当初予定の挙式数を獲得できずに収益が低迷したためだという。同ホテルはソニックスポーツ(熊本市)が6月に運営を引き継ぎ再出発している。
 福岡都市圏の若者人口が増える限り、ブライダル業界の参入も続く。生き残りをかけた競争は激しさを増す。
 
 
 
東証1部上場の挙式サービス大手「ワタベウェディング」は、2014年3月期決算短信を発表し、当期純損益が35億2400万円の赤字に陥ったことを明らかにしました。
2014年3月期通期連結業績:ワタベウェディング
売上高 営業損益 純損益
14年3月期477億1000万円△7億6500万円△35億2400万円
前期実績492億9500万円12億4400万円5億6000万円
次期予想488億円5億円2億円
少子化や競争激化に伴う挙式取扱組数の減少や、円安の影響によるリゾート挙式の利益低下に加え、店舗移転などによる事業再編損として5億6200万円、固定資産の減損損失として6億3500万円のそれぞれ特別損失を計上したほか、繰延税金資産の取り崩しとして9億5500万円の法人税等調整額を計上したことから、営業損益・純損益ともに赤字転落となりました。

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